今回は、柳澤美冴プロがルーキーだった2012年以来4年ぶりに登場。大学4年生でプロテストに一発合格。プロ入り4年目の昨シーズン、主戦場のステップ・アップ・ツアーで6位に2度入賞すると、同年末のファイナルQTで12位となり、今シーズンのツアー出場権を獲得。そんな柳澤プロが、初めてフル参戦しているツアーでのプレーや目標について語ります。
みなさん、こんにちは。今シーズン、レギュラーツアーに初めてフル参戦している柳澤美冴です。今日は私の近況をお話ししたいと思います。
今年の女子ツアーが開幕して1カ月が過ぎましたが、ここまで戦った感想はというと、「ツアーの厳しさを痛感しています」という感じです(苦笑)。開幕戦からの2試合は1打差で予選落ち。次の試合では予選を通過できましたが、その後はまた予選落ちが続いて・・・。特に1打差での予選落ちはダメージが大きいですね。「自分、健闘してるじゃん」と思いつつ、「やっぱりダメか・・・」と思ったり。
そんな中でも、3月中旬の「Tポイントレディス」の2日目はいいプレーができました。あの試合は、雨の影響で初日がサスペンデッドになってしまい、私は13ホールしか消化できませんでした。ただ、その時点の私のスコアは5オーバー。だから、サスペンデッドになった時には、正直「よかった~」とすがすがしい気分になりました(笑)。それで翌日は残りの5ホールと第2ラウンドの18ホールをプレーすることになったのですが、なぜかあの日は長いパットが入ってくれました。その結果、第2ラウンドでは、ボギーも出たものの6つバーディが獲れて、「69」というスコアが出たんです。
ここまでの自分のデータを見ると、パーオン率がよくありません。でも、それはアイアンだけでなくティショットにも原因があって、全体的にショットの精度を上げていかないと勝負にならないなと痛感しています。
それと、去年までは単発でツアーに出ていたので疲れもなかったのですが、今年は毎週試合があるので、知らず知らずのうちに疲れが出て、踏ん張りが利かずに悪いクセが出てしまって・・・。コーチとは、そういう部分を課題として取り組んで直さないといけないねと話しています。ただ、それはアドレスの向きとか、フォローでのクラブの抜き方とか、ほんのちょっとしたことなんです。スイング自体は悪くないと思うので、そういう部分を直せば、ショットは劇的によくなる気がしています。
今年、私がツアーにフル参戦できているのは去年のファイナルQTで上位に入れたからです。QTでファイナルまで行ったのは去年が初めてだったのですが、初日に「77」を打ってしまい、102人中70位台のスタートだったんです。その時には「せっかくここまで来たのに、自分は何やってんだろう?」と思いました。それで、2日目からは必死にプレーして、最終順位は12位。自分が想像していた以上にいいプレーができました。あの後、「何がよくて追い上げられたの?」とよく聞かれたのですが、一番の理由は、コースが自分に合っていたからだと思います。もしかしたら、それだけかも(笑)。ただ、3パットが減ったし、以前とくらべると、底上げというか、“ポカ”をしなくなったとは思います。
フル参戦は、とにかく体力勝負だと聞いていたので、このオフは、ゴルフ専門のトレーナーさんの指導を受けながら、初めて本格的にトレーニングをしました。自分の体重を利用して負荷をかけて体幹を鍛えたり、ストレッチをしたりといったメニューを3カ月間ずっと続けました。コンディショニングについても教わりました。去年までの私は本当に無知だったので、トレーナーさんからのアドバイスはすごく役に立っているし、私のスイングや体の使い方に基づいたメニューなので効果はあると思います。
ゴルフに関しても、暖かい海外で例年よりたくさんラウンドして、自分では仕上げたつもりで開幕を迎えました。フル参戦するのがどういうことなのか、よく分からなかったので、「とにかく自分はやれるだけやるだけだ」と思っていたのですが・・・。
ツアーで感じる厳しさというのは、やはりシード権に関してです。優勝できれば別ですが、そうでなければ毎試合少しでも賞金を稼いでいって、その積み重ねの結果、シードが獲れるわけですよね? そう考えると、シード選手でいることってスゴいことなんだなと思います。
なんだか後ろ向きの話ばかりになってしまいましたが(笑)、それでもツアーでプレーするのは楽しいし、プレーしていて「自分はやっぱりゴルフが好きなんだな」と感じますね。
ツアーのコースはコンディションがいいし、最高の環境でプレーさせてもらえます。しかもそれが毎週。去年の私は、ステップ・アップ・ツアーすら全部は出られませんでした。だから今は、試合に出られる楽しさを心の底から感じています。予選を通過できなかった時に「また来週!」と切り替えるのは簡単ではないけれど、またすぐに試合があるのは幸せです。それに、ギャラリーのみなさんから声をかけてもらう機会がすごく増えたのも、素直にうれしいなと思います。
ツアーで戦っていると刺激もあります。試合や練習ラウンドでトップの人たちと一緒に回っていると、体幹の強さを感じるし、小技のバリエーションの多さはすごく勉強になります。「ここからそうやって寄せるんだ」とか、感心することが多いし、たくさん引き出しがあるな、と。そういう勉強ができるのはツアーならではですね。私が上位に行くには、もっと小技の引き出しが必要だと感じていますが、シード権と同じで、小技も積み重ねだと思います。
開幕前の目標はシード権を獲ることでした。もちろん、それは今も変わりません。もうQTには行きたくないし(笑)、そのためにオフも準備をしたので、シードは最低ラインです。もちろん優勝もしたいけれど、今はまだ「優勝します!」と言えるレベルではないので、まずはコンスタントに予選を通過して、上位に行けたら。その延長に、優勝争いや優勝があると思います。地道に、ちょっとずつステップアップできるよう頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いします!