第107回 保坂 真由

初のシード権とツアー初優勝が今シーズンの目標です!

中学2年生だった2009年、見事マンデートーナメントを突破し女子ツアーに初出場。高校進学後は「全日本女子パブリックアマ」「全国高校ゴルフ選手権(団体戦)」などで優勝し、ナショナルチームでも活躍。初めてツアーに本格参戦しているプロ3年目の今季、平均飛距離260ヤードというティショットを武器に、初のシード権、さらにはツアー初優勝を目指す保坂真由プロが初登場です。

“耐えるゴルフ”で自己のベストスコアを更新

 ツアープロ日記をご覧のみなさん、はじめまして。プロ3年目の保坂真由です。今日は自己紹介も兼ねて、私の近況をお話ししたいと思います。

 私がツアーにフル参戦するのは今年が初めて。ここまで十数試合に出場しましたが、最近、予選落ちが続いているので、正直いまは苦しい状況です(苦笑)。自分本来のショットが打てていないのが原因で、それで全体の調子も上がっていない感じですね。

 今シーズンの私の最高順位は「アクサレディス」(3月第4週)の11位タイなのですが、あの試合も、ショットはそれほどよかった訳ではないんです。でも、アプローチショットとパットで耐えて、チャンスが来たらしっかり獲って、というゴルフができたので、それがプロになってからのベストスコア「69」(第1ラウンド)につながりました。でも、その後の試合ではなかなかチャンスをものにできず、グリーンを外したら外したで、パーを拾えずにボギーというゴルフになってしまっていて……。それは、コースが難しいということもあるけれど、自分の技術、実力がまだまだ足りないからだと思っています。

 私は元々アプローチがあまり得意ではないのですが、去年ステップ・アップ・ツアーでプレーしてみて、グリーンを外すとパーが取れないなと痛感しました。だから、オフに参加した、コーチの金愛淑プロ(注:韓国出身。ツアー1勝)が主催したタイ合宿では、1カ月間、アプローチとパットを中心に練習しました。その合宿でやったことが試合でできることもあるのですが、やはり上手くできないことが多いですね。まだ的確な状況判断ができていないのだと思います。それでも、去年にくらべればだいぶよくなってきているので、実戦での経験を積みながら、少しずつレベルアップしていければと思っています。

ドライバーの飛距離とショートアイアンのキレで勝負

 金愛淑さんに初めてお会いしたのは、私が5歳の時でした。ゴルフ好きの父に連れられて観戦に出かけたツアー会場で、金さんが私にボールをプレゼントしてくれたんです。ただ、その時まだ私はゴルフをしたことがなくて。ゴルフを始めたのは、9歳の時に父について練習場に行ったのがきっかけでした。それから自分でも球を打ち始めて、競技にも出るようになりました。

 金さんに教えてもらうようになったのは中学2年から。時間があると、埼玉の自宅から金さんが主宰する都内のアカデミーに通ってレッスンをしてもらいました。プロゴルファーになろうと思ったのも中学2年の時です。その年の「大王製紙エリエールレディス」で、マンデートーナメントに初めて出場して、それを突破して本選に出ることができたんです。結果はカットラインに6打足りずに予選落ちでしたが、「プロってカッコいい」「私も大勢のギャラリーの前でプレーしてみたい」と思うようになりました。

 目標にしてきたプロはいますが、一人ではなくて、「この選手のここがスゴい」とか、「あの選手はここ」とか、いろいろな選手のいいところを取り入れてきた感じですね。

 私のプレーの特長は、やっぱりティショットの飛距離。ドライバーショットは他の人より飛ぶかな、とジュニアの頃からずっと思っているし、それはプロになってからも変わっていないと思っています。それと、ショートアイアンのキレにも自信があるのですが、それが今は「うーん・・・」という感じで(笑)。だから、アイアンショットの精度を上げるのと、ショートゲームを磨くことが課題ですね。

 ちなみにスリクソンの道具は、ボールが小学5、6年から、クラブは中学に入ってからずっと使っています。ボールはずっと『スリクソン Z-STAR XV』で、距離が出るのと、打感がしっかりしているところが気に入っています。

国内で賞金女王になって、いつかアメリカでプレーしたい

 ツアーが行われるコースは、ステップ・アップ・ツアーにくらべるとセッティングの難しさを感じるけれど、ツアーの雰囲気にはもう慣れました。たくさんのギャラリーのみなさんの前でプレーするのは本当に気持ちがいいですね! 緊張したのも、プロテストの時が最後で(笑)、ツアーの試合ではまだありません。最終組の2組前で回った「アクサレディス」の最終日も気持ちよくできたし、プレーしていて楽しかったです。

 いま、金さんには時々ツアー会場でスイングなどを見ていただいています。金さんから与えられている課題はいろいろありますが、いちばん言われているのは、「もっと自信をもってやりなさい」ということ。技術的に大きく変えないといけない部分はなくて、金さんにスイングやパットをチェックしてもらいながら、少しずつ理想の形に近づけていっているところです。結果が出ていないのは苦しいけれど、ドライバーショットはだいぶ良くなってきているし、調子自体もちょっとずつですが上がってきているので大丈夫です!

 私はプロになったばかりですが、最終的には国内ツアーで賞金女王を獲って、いずれは海外、特にアメリカツアーで戦いたいという大きな目標があります。アメリカにはアマチュア時代に試合で行ったことがあって、日本とは芝が全然違うし、コースも難しかったのですが、またプレーしてみたいと思っています。そのためには、申ジエさんや大山志保さんのように上手くて強い選手にならないといけないし、自分もそういうレベルに行きたい。そして、プロにとってはファンサービスも大切なので、しっかりやっていきたいと思います。

 今シーズン、初めてフル参戦するにあたり、初シードを獲ることと初優勝することを自分の目標として決めていました。どちらも高い目標ですが、まだまだシーズンは長いので、達成できるよう頑張ります。みなさん、どうぞ応援よろしくお願いします!

保坂 真由(ほさか・まゆ)
1995年埼玉県生まれ。
9歳でゴルフを始める。埼玉栄高2年時には「全日本女子パブリックアマ」で優勝し、「日本女子アマ」で3位に入ったほか、ナショナルチームメンバーとしても活躍。同校卒業後の2014年プロテスト合格。昨年12月のファイナルQTで24位となり、今季初めてツアーにフル参戦中。身長162センチ、血液型B。
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