今回はプロ7年目の藤崎莉歩プロが2年ぶりに登場! 高校卒業後の2010年、18歳でプロテストに合格し、12年に初めてレギュラーツアーに本格参戦。14年には賞金ランキング75位に。また昨年(15年)はステップ・アップ・ツアー「京都レディースオープン」でプロ初優勝を達成。ツアー本格参戦3度目となる今シーズン、シード権獲得を目指す藤崎プロが前半戦を振り返るとともに、現在の調子や課題、目標について語ります。
みなさん、ご無沙汰しています。藤崎莉歩です。いつもトーナメント会場での温かいご声援どうもありがとうございます。今日は私の近況についてお知らせしたいと思います。
私は今年、2年ぶりにツアーに本格参戦しています。前半戦の結果だけを見ると残念な感じもあるのですが、自分が足りないところが見えてきて、ゴルフの中身も少しずつよくなってきているなと感じています。
足りないと思うのはショートゲームです。具体的に言うと、30ヤードぐらいのごく基本的なアプローチショットなのですが、これまでは、近くに寄せたい気持ちが強すぎてオーバーしたりするミスが多かったんです。周りからも「ショートゲームがもったいない」とずいぶん言われていたのですが、それが自分では今ひとつピンと来ませんでした。それが、今年になってたまたま知り合いのキャディさんに担いでもらったのがきっかけで、自分はショートゲームがダメなんだとやっと気づけて(笑)、目を向けるようなりました。それまでは正直練習の仕方がよく分からなかったのですが、ボールを打つ前にしっかりショットをイメージする練習をするようにしてから、少しずつよくなってきました。最近は、「2mぐらいに寄ればOK」と、いい意味でアバウトに考えられるようなって、それもちょっとずつスコアにつながっているかなと思います。
ただ、ショットに関しては、去年のシーズン後に取り組み始めたスイング改造がなかなか上手くいかずに苦労しています(苦笑)。私の場合、体が開いてしまうクセがあって、そうならないような足使いとかをティーチングプロの父と練習しているのですが、コースに出ると、やっぱりクセが出てしまうんですよね。体が開くと飛距離をロスしてしまうし、捕まえようとして手で細工するので目標より左に飛んでしまって。それが毎試合出るとキツいんです。でも、練習でやっていることが試合でできれば飛距離が出るし、アイアンでちゃんとスピンが利いた球が打てます。練習していることを試合でどこまで試すか、その折り合いはすごく難しいのですが、やらないとスイングは変わらないので今も続けています。早く自分のものになってくれるといいのですが・・・。スイング改造もショートゲームの練習も、すぐには結果に結びつかないけれど、前半戦は4週連続で予選を通過できたこともあるし、ちょっとずつよくなってきている感触はあります。
それと今は、1試合終わったら、できるだけ一度大阪の実家に帰るようにしています。トレーニングをしたり、身体の歪みを整えてもらったりするためなのですが、やっぱり実家は落ち着きます(笑)。だから地元にいる時には自宅でゆっくり過ごすことが多いのですが、遠征先ではよく外出します。服を買ったり、試合でつけられそうなヘアゴムを探したりするのは楽しいし、いい気分転換になっている気がします。
ご存じの方もいるかと思いますが、去年はステップ・アップ・ツアーの「京都レディースオープン」(10月)で優勝することができました。先輩たちから、「優勝争いでは手が震える」と聞いていたのですが私は大丈夫でした。その代わり、手元がフワフワするというか、ちゃんとグリップを握っているのに力が入らなくて。それでも最終ホールでバーディパットを決めて勝つことができました。「本当に勝ったのかな?」としばらく実感が湧かなかったけれど(笑)、プロになって初めての優勝だったのですごくうれしかったですね。
優勝できたのは、メンタル面でも成長したからだと思います。たしか去年の9月頃でしたが、知り合いの方に「禅ゴルフ」という本を勧められました。とにかく私はゴルフの技術にしか目を向けて来なかったので、そういうものを読むのも勉強になるかなと思って読み始めたのですが、集中力の高め方についていろいろ書いてあって。それを読んで、いかに自分が試合中に余計なことを考えていて、プレーに集中できていなかったかが分かりました。その本を読んでから集中力が高まったし、気持ちの切り替えができるようになりましたね。
それと、パットも最近になってやっと“打てる”ようになってきました。それまでは、どうも距離を合わせようとする傾向が強すぎて、ボールがカップの手前で切れてしまうことが多かったんです。それで「打たなくちゃ」と思って打っていたのですが、それだとなかなか打ち切れなくて。それが、これもある人に教えてもらったのですが、打つ前にイメージで距離感をつかむ練習をするようにしたら、だんだん距離感が合ってきてカップに届くようなったし、時にはカップオーバーするようになったんです。そうやってパットが打てるようになって、アプローチの精度が上がれば、ショットの調子が悪くても予選を通過できるんだなと感じています。
一方で、グリーンを外した時にあっさりボギーにしてしまって、その結果1打差で予選落ちというのが2試合続いた時には反省しました。本当に何でもないところからのアプローチなのですが、シード選手はしっかり寄せますからね。
ツアーもこれから後半戦に入りますが、私はツアーではこれまで13位タイ(2014年)が最高順位で、まだトップ10に入ったことがないんです。だから、まずはそれを目標にしています。ちょっとずつよくなっているショートゲームをこのまま続けて、あとはショットの調子がもう少し上がってきてくれたら、トップ10に入れることもあると思うので。もちろん、シード権を獲るのも目標なのですが、一度でもトップ10に入れれば自信がついてくるはずだし、そうなればシード権も見えてくるでしょう。だから、やっぱりトップ10に入ることを目指してプレーしようと思っています。