第119回 塚田 陽亮 & 小池 一平

めざすはツアー2勝目&初優勝。来シーズンも今年以上に頑張ります!

2016年の最終回は、塚田陽亮、小池一平両プロによる“爆笑”同級生対談をお届け。塚田プロは悲願のツアー初優勝を達成。一方、小池プロはツアー自己最高の単独2位に入賞し、揃って「ゴルフ日本シリーズ JTカップ」に初出場。コース内外で行動を共にする仲の良い2人が、大躍進した今シーズンを振り返るとともに、来シーズンの目標を語ってくれます。

「今年の一平は余裕をもってゴルフをしていた」(塚田)
「陽亮のハイレベルのショットがうらやましい」(小池)

G-ATTEND(以下、GA) まずは「ゴルフ日本シリーズ」に初出場した感想から聞かせてください。

塚田 ずっと目標にしていたし、今年もあの試合に出たいという気持ちでシーズンに入りました。目標にしていた舞台に立ててよかったと思います。

小池 僕も、開幕前に立てた目標が最終戦に出ることでした。だから、出場が決まった時にはうれしかったですね。

GA お2人とも、開催コースの「東京よみうりカントリークラブ」に行くのも今回が初めてだったそうですね。

塚田 そうなんです。練習日に初めてコースに行ったんですけど、試合をやるような雰囲気がゼロで「本当にここでやるの?」と思っていたら、実はそこはお隣のよみうりゴルフ倶楽部で(笑)。そのあと東京よみうりに行って、「ああ、やっぱり雰囲気あるな」と。

小池 僕も、練習日は、「場違いなところに来ちゃったんじゃないか」と思ったし(笑)、「本当に大丈夫かなぁ」と思いながらハーフを回りました。

塚田 (出場者リストに)ちゃんと自分の名前はあった(笑)?

小池 うん、確認したら一応あったので。

塚田 そりゃよかったね(笑)。

小池 本当にそれぐらい緊張したし、初めてツアーに出た時のような気持ちでしたね。

GA 今年はお2人とも大活躍でしたが、ベストゲームを挙げてもらうと?

塚田 やっぱり優勝した試合(日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills、以下ツアー選手権)ですね。それ以外は全然よくなかったから(苦笑)。

小池 僕は(2位に入った)「ダイヤモンドカップゴルフ」ですね。僕は難しいコースでは予選落ちすることが多かったのですが、あの試合は、難しいコースでも最後まで崩れずに優勝争いができたので本当によかったと思います。

GA お互いのプレーを見ていて、今年レベルアップしたなと感じる部分はありますか?

塚田 今年の一平は余裕をもってゴルフをしてましたね。試合が始まるまでは、さっきのように「場違いなところに来ちゃった」とか「最高に調子悪い」と言ってるくせに(笑)、いざスタートするとしれっとまとめてくる。そこは変わったところかなぁ。技術的には・・・もう、毎日のように見てるから分からないですね。

小池 陽亮はやっぱりショットですよね。僕とくらべるとレベルが1つ、2つ違うのでうらやましい。調子が悪いと言いながら、練習ラウンドではビッシビシで。

塚田 練習ラウンドではね(笑)。

小池 だから、試合になるとなんであんなに叩くのか不思議でしょうがない(笑)。練習ではまっすぐしか飛ばないから。

塚田 俺の場合、“仕上がりは水曜日”なんだよね(笑)。

GA ツアー選手権の練習日はどうだったんですか?

小池 それは覚えてないんですけど、あの試合は予選ラウンドも一緒に回ったんです。

塚田 予選は調子がよくなかったよね、俺。予選通過もギリギリだったし。

小池 そうかな。難しいコースなので終盤は危なかったけど、全体的にはいいゴルフをしていたと思うよ。僕は初日に「82」も叩いちゃったので、なんてたって。

塚田 ・・・アイドル(笑)?

GA (笑)。小池プロには、あの試合で塚田プロが勝ちそうな予感はあったんですか?

小池 いえ、それはないですけど、陽亮はギリギリで予選を通ってトップ10に入ることがけっこうあるんです。だから、3日目の「69」という成績を見て、「いつものパターンでトップ10かな」とは思いました。

小池 あの試合はコースセッティングが難しかったのが功を奏したというか、ちょっと頑張ったらチャンスが出てきた感じでしたね。僕は、我慢くらべは嫌いなほうじゃないので。

「水かけに行けるよう、一平が勝てそうな試合はコースで応援」(塚田)
「妻の位置を確かめるのは、ボギーの後に顔を合わせるのを避けるため(笑)」(小池)

GA 今年、塚田プロは小池プロのラウンドについて応援したことがありましたよね?

塚田 一平が勝てそうな試合ではね。すぐに水をかけに行けるように(笑)。ダイヤモンドカップでも最終日の上がり2ホールだけ観ましたけど、優勝争いでも落ち着いてましたね。17番のパー3では、15mぐらいあるすごい下りのパットが入ったし。

GA そういう時は声をかけるんですか?

塚田 けっこうかけますよ。もちろん、真後ろからは絶対に見ないですけど(笑)。

小池 端っこで、こそっと見てるよね。

塚田 俺がどこで見てるか分かんないでしょ?

小池 今年は分かった。

GA そうやって応援されるのはどういう気分なんですか?

小池 そりゃ嫌な気はしないし、うれしいですよ。

GA そういえば、小池プロのラウンドにはいつも奥さんがついていますが、奥さんがどこにいるかは把握してるんですか?

小池 はい。なぜかというと、ボギーを打った後に、顔を合わせずに次のホールに行けるルートを探さないといけないので(笑)。

塚田 まあ、現場監督なんで(笑)。気を遣ってるよね、ハハッ。

GA ところで、お2人は同じ甲信越のご出身ですが、初めて会ったのは?

小池 中学時代の関東であった試合だったと思います。たぶん同じ組で回ったんじゃない?

塚田 記憶にないけどね。

小池 一緒に行動するようになったのは大学からだよね。僕は一人で大会に出ることが多かったのですが、陽亮も自分の大学のメンバーとは一緒にいなかったので、その頃から一緒に食事したりしてましたね。

塚田 大学の奴らとはふだん一緒にいるので、全国大会に行ってまでつるむ必要はないと思ったから。

小池 QTも初めて受けた時は一緒だったよね。サードを同じ会場で受けて、一緒に練習ラウンドをして、一緒に落ちて(笑)。

塚田 あの頃のことを思うと、今年一緒に最終戦に出られたのはスゴいよね。

GA 以前、小池プロは「陽亮とはゴルフの話はほとんどしない」と言っていましたが・・・。

小池 そうなんです。一緒に食事に行っても、最初に今日はああだったみたいな話をして、それで終わりです。

塚田 僕は、今年の後半戦は調子がよくなかったので、コースで「俺、どうなってる?」と一平に聞きましたけどね。コースを離れたらゴルフの話はしないです。

小池 いつも何の話をしてるんだろう? そんなに変な話はしてないはずだけど(笑)。

塚田 そうそう、いつも一平の嫁さんが一緒にいるので(笑)。でも、野球の話はよくしますね。僕は地元で草野球チームを持っていて、以前、試合に一平を呼んでサードをやってもらいました。僕は、本職はピッチャーなんですけど、その時は初めてショートをやって、一平と“怒涛の三遊間”を組んで(笑)。

小池 僕も少年野球をやっていたので野球は好きなんですけど、今は見るほうが好きで、巨人ファンなんです。

「『スリクソン Z U65 ユーティリティ』はめちゃくちゃいいクラブ」(塚田) 「今シーズンの満足度は8~9割。ただ、ダンロップ主催の2試合が・・・」(小池)

GA 話をゴルフに戻しますが、今シーズン、「これは活躍してくれた」という道具をひとつ挙げてもらえますか?

塚田 優勝した試合でもよく使った『スリクソン Z U65 ユーティリティ』の2番ですね。アイアンの延長で打ててラインが出しやすいし、飛ぶし、上がりやすい。めちゃくちゃいいクラブです。

小池 僕は新しいクラブじゃないので申し訳ないんですけど、『スリクソン Z725 リミテッドモデル ドライバー』です。

塚田 それって元々は僕のドライバーなんです。

GA え、そうなんですか?

小池 はい。春先は自分のクラブを使っていたのですが、ずっと使っていたのでヘッドがダメになってしまって。

塚田 僕もなかなかクラブを替えられないタイプで、今年『スリクソン Z765』に替えるまでずっとそれを使っていたので、ヘッドをキープしていたんです。そうしたら、一平が「譲ってもらえませんか?」と言うので「しょうがねえな」と(笑)。一平じゃなかったら、断ったかもしれないです(笑)。

小池 アハハハハッ。僕は今年、ショットの調子がよくなかったのですが、ドライバーだけは安定していたんです。このドライバーのおかげで何とかなったという感じですね。

GA 改めて今シーズンを振り返ると、お2人の満足度はいかがですか?

塚田 僕はかなり低いですね。特に優勝したあとが・・・。7月はアメリカやイギリスに行って、国内の試合も休まず出たので、正直ちょっと疲れました。それで、うまくプレーできないことが多くなってしまいましたね。せっかく6月に勝ったのに、その以降、別人のようになってしまったのは、かなり歯がゆかった。だから、来年は同じことを繰りかえさないようにしないと。

小池 僕は満足度でいえば8~9割は行ってますね。去年より成績がよかったし、納得できるラウンドも多かったので、かなり満足しています。ただ、「ダンロップ・スリクソン福島オープン」と「ダンロップフェニックス」の2つとも予選落ちしてしまったのが・・・。

塚田 俺もだ(苦笑)。

小池 それがちょっと心残りで、1~2割不満が残るのはそこですね。

GA ここで、来シーズンの目標を色紙に書いていただけますか? (そして、塚田プロは「2勝目」、小池プロは「初優勝」と書く)

塚田 お前、“初優勝”って字、小さくないか?

小池 いいんだよ。謙虚な気持ちが大事なんだから。

塚田 じゃあ、初優勝のあとに「?」って書けば(笑)。

小池 これでいいよ。決まったね、今日は。

塚田 今日は?(笑)

GA (笑)では最後に、読者のみなさんへのメッセージをお願いします。

塚田 えー、いつもご愛読本当にありがとうございます(笑)。このコンテンツを読んでいるのは、本当にダンロップが好きな方だと思うのですが、いつも読んでいただけるのは本当にうれしいです。今年の後半は上位に名前が出ることがなかったので、来年は今年を反省しつつ、さらに飛躍できるよう、オフはいっそう真剣にゴルフに取り組みたいと思います。そして来年は早く2勝目を挙げたいです。

小池 今年1年間ありがとうござました。今年は、僕にとってはいいシーズンでしたが、来年は、今年よりさらに上を目指して頑張りたいし、やっぱり優勝したいです。優勝がどんなものなのか、一度味わってみたいですね。

GA ありがとうございました。来シーズンのご活躍を期待しています。

塚田 陽亮(つかだ・ようすけ)
1985年長野県生まれ。
10歳でゴルフを始め、群馬のゴルフアカデミーと米フロリダのIMGアカデミーで武者修行。帰国後、名古屋商科大を経て2008年プロ転向。10年レギュラーツアーに初参戦し、13年に初のシード権を獲得。今季「日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills」でツアー初優勝し、賞金ランキング28位に。身長173センチ、体重80キロ、血液型A。
塚田 陽亮プロの詳細ページはこちらをご覧ください。
小池 一平(こいけ・いっぺい)
1985年山梨県生まれ。
12歳でゴルフを始め、山梨学院大学4年時に「日本学生」で準優勝。2008年プロテスト合格。翌12年レギュラーツアーに初めて本格参戦。15年賞金ランキング57位となり、初のシード権を獲得。今季、賞金ランキングで自己最高の27位に入り、2年連続でシード権を獲得。身長175センチ、75キロ。血液型O。
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