今シーズンからチーム・スリクソンの一員となった星野陸也プロが初登場!
ツアープロ日記の読者のみなさん、はじめまして。今シーズンからダンロップの契約選手になった星野陸也です。これからどうぞよろしくお願いします。僕のことを知らないという方も多いはずなので、今日は自己紹介から始めたいと思います。
僕がゴルフを始めたのは6歳の時。父がゴルフ好きで、4歳上の姉がゴルフを始めたので、僕も一緒について行った感じです。
僕は石川遼さんと同じマネジメント事務所に所属しているのですが、僕が初めて遼さんに会ったのは小学2年の頃で、遼さんは中学1年だったと思います。僕は遼さんの妹の葉子ちゃんと同級生で、試合で同じ組で回ったりするうちに親しくなりました。姉は姉で遼さんと年が近いので、やはり試合で顔見知りになって。兄弟や姉妹同士で仲良くなる、ジュニアゴルファーによくあるパターンですね(笑)。
スリクソンの道具を使い始めたのは中学に入ってから。中1の時に初めて自分用のクラブを買ってもらったのですが、それがスリクソンのドライバーとアイアンだったんです。その後、高校に入ってから、先輩の勧めでスリクソンのボールも使うようになりました。
僕が通った水城高校はゴルフの強豪校で、1学年で5人くらいしか入部できないんです。僕は元々そんなに上手いほうではなかったので、入れたのはかなりラッキーでした。そして入ってみたら周りは上手い人ばかり。卒業生のプロの皆さんが来てアドバイスしてくださることもあって、本当に勉強になりました。ほかにも、クラブとかトレーニングについて勉強したり、いろいろ考えたりするうちに、ゴルフがどんどん好きになっていったんです。僕自身、高校の3年間ですごく変わったと思うし、「将来プロになろう」と考えるようになりました。
ただ、高校3年の時には、すぐプロになるべきかどうか迷いました。最後は、社会勉強も大事かなと考えて日本大学に進んだのですが、2年生の6月に中退しました。
プロに転向しようと決めた直接のきっかけは、大学1年の秋に出た「カシオワールドオープン」でした。僕が初めてツアーの試合に出たのは、前年の「HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP」で、予選を通過できました。「カシオ~」でも予選を通ったし、ローアマも獲ることができたのですが、グリーン上でやられてしまいました。ショットの調子がよくて何度もバーディチャンスについたのに、当時の僕にはグリーンが速すぎて全然パットが決まらず、それがかなりショックで。大学の試合に戻れば、グリーンは重いし、止まりやすいですよね? 「ツアーに出て、これだけモチベーションが上がったのに・・・」と悩みました。もしショットも歯が立たなければ、そうは思わなかったでしょう。でも、ショットは十分に通用すると思ったから、プロに進む道を選んだんです。
大学のゴルフ部では、僕は団体戦のレギュラーメンバーで、最後の試合は北海道であったのですが、実はその時に風邪を引いてしまって。あまりいいプレーができなくて、チームも優勝できませんでしたが、みなさんには快く送り出していただきました。
ゴルフファンのみなさんが僕のことを知ってくださったのは、たぶん去年9月の「アジアパシフィック ダイヤモンドカップゴルフ」だと思います。あの試合のあと、「落ち着いてプレーしていたね」と言ってもらいましたが、それはツアーに雰囲気に慣れたからじゃないかと思います。7月の「ダンロップ・スリクソン福島オープン」にも、まだアマチュアでしたが出場して予選を通過できましたし。ただ、「ダイヤモンドカップ~」の3日目に経験した、最終組の雰囲気にはまだ慣れていませんでしたけど(苦笑)。
ツアーの速いグリーンにも慣れました。今年1月の「SMBCシンガポールオープン」ではタッチが完璧で、パットがかなり入ってくれました。あの試合では「あ、俺、速いグリーンのほうが入るのかも?」と感じました。
ショットに関しては、ドライバーのことをよく聞かれます。たしかに自信はあるのですが、ティショットは全部ドライバー、ということはしません。3Wで刻むこともけっこうあるし、コースマネジメントには神経を使っています。僕はいろいろな球を打つのが好きなんです。アゲンストではすごく低い球を打つし、フォローだったら弾道を高くします。そういうことは以前から遊び感覚でやっていたのですが、先ほど話の出た「カシオ~」で、ずっと低い球を打っていたら、ドライバーで飛距離が300ヤードくらい出て。その時、「これは試合で使えるな」と思いました。自分が風に強いかどうかは分からないけれど、風の中でプレーしていると楽しくなるのはたしかですね。
去年のファイナルQTでも、試合前には低い球を打つ練習をずっとしていました。風が吹いたのは最終日だけだったけれど、初日から徹底して低い球で攻めたのが、うまくプレーできた要因だと思います。
ショットの調子がよければ、パットの調子が悪くても何とかなるし、アプローチもしなくて済みます。ティショットがよければ、ツアーの深いラフに入ることもないし、そうそうオーバーパーを打つこともない。だから自分の課題は、いろいろな状況に応じたショットを磨くことだと思っていて、その精度をもっと高めていきたいですね。
アプローチも好きで、アマチュアの頃からいろいろな打ち方を練習していました。ただ、アマチュアの試合では練習でマスターしたことを試す場面がなかったんです。ロブショットにしても、スピンをかけすぎたら止まってしまうので必要ないし。でも、ツアーではそういう技を使わないといけないことが多いので、グリーン上もそうですが、高いレベルでプレーしている今はすごくゴルフが楽しいです。
今シーズンの開幕前は、予選落ちをせず、1回でもトップ5に入ってシード権を獲ることを目標にしていました。でも、シンガポールで優勝争いができたし、チャレンジトーナメントで勝つことができたので、今はツアーで早く1勝するのを目標にしています。
そしてプロとしての大きな目標は、日本で活躍して、松山英樹さんや遼さんのように、アメリカPGAツアーに行くこと。そして、やっぱりいつかマスターズに出たいと思っています。